神谷 萌南

魅力あふれるサルデーニャ島

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皆さんお久しぶりです!!イタリアに留学中の神谷萌南です。

私が参加している留学団体は、イタリア国内に留学している生徒の留学場所を短期間、交換するプログラムも行っていまして、先日、私もイタリア北部に1週間滞在しました。その時、ヴェネツィアも訪ねました。ヴェネツィアの景色はとってもとっても素敵で、まるで夢の世界にいるようでした。ひとくちにイタリアといっても、南と北では喋り方、食、性格、暮らしなど、何から何までが全て違い、とても驚きました。

ざっくり言うと、北は経済を重んじていて、南は人生を楽しんでいる感じでしょうか。人々の性格をみると、よく言えばきれい好き、悪くいえば神経質。一方で南は、とにかく明るくて、社交的です。

ただ、南と北にも共通していることがあります。「家族を大切にすること」です。

南も北も好きなのですが、私が留学しているサルデーニャ島は、イタリア半島から離れている島なので、これまたひと味違っています。今回は、その魅力を紹介します。離島だけに、文化や食など、他にはないユニークなところがたくさんあるんですよ!!

特徴① 自然
なんといっても、サルデーニャと言ったら自然。海です!!

イタリアは地中海性気候で、夏は乾燥しているためカラッとしています。ここが湿気の多い日本の夏と大きな違いではないでしょうか。夏の日差しで日光浴をするために、他のヨーロッパの国々から多くの観光客が訪れます。

海は、水が透き通っていてエメラルド色……とにかく綺麗なのです。また、サルデーニャの中でも場所によって地形に違いがあるので、それぞれの海が別の表情を見せてくれます。

海だけではなく、山や滝など、他にも自然の観光スポットがいっぱいです。自然が保たれているのは、人の手が加えられてないからです。

特徴② 家族、人間関係
自然のように目には見えませんが、サルデーニャの一番の魅力は、家族や親戚、人間同士の絆ではないでしょうか。

核家族化が進む日本の都市部では、なかなか見られなくなった特徴なので、とても貴重だなと思います。

サルデーニャでは、ほとんどの家族が、親夫婦、その子どもの夫婦、孫で構成されています。そして、近所や隣町には、いとこや親戚たちが住んでいるといったイメージです。

クリスマスやイタリアの復活祭「パスクワ」の休みには、必ず親戚を含めた大家族がみんな集まって食事をします。特別なイベントがなくても、ほとんどが近くに住んでいるので、頻繁に会うのです。

また、家族の中では常に、「おしゃべり」が絶えません。このイタリア人のこの「おしゃべり」に、私は到着した初日から衝撃を受けました。

食事は必ず家族が全員集まって食べ、その日にあった出来事を、それぞれが何から何まで話しまくります。2人が一度に違う話題を話し始めることもあるので、どちらの話に耳を傾けたらいいのか困ってしまうほどです(笑)

なぜあんなに話し続けられるのか分かりませんが、この「おしゃべり」は長寿の秘訣なのだとも思います。「おしゃべり」をするには脳も使いますし、話すことでストレスも溜まりにくく、それが長寿につながっているのではないでしょうか。

とにかく、家族の愛に溢れていて、家はとても落ち着く場所です。

日本のことを悪く言うわけではないのですが、都会では夜遅くまで働いたり、学校や部活、塾などで家族と過ごす時間が取れたりしないのは、悲しいことだなと思います。

家とは、本来私たちが一番落ち着くことのできる場所です。家族とは、血の繋がりと愛がつくりだすかけがいのないものだと思うのです。

③伝統
サルデーニャには、たくさんの小さい村が散らばっていて、それぞれが特色を持っています。

例えば、言語や伝統衣装、食事などがそうです。

サルデーニャではイタリア語の他に、サールドというサルデーニャ独自の言語を話します。

村ごとにそれぞれのサールドがあり、私はいくつか聞いたことがありますが、同じサールドでも全く別の言語のように違いがあります。

同じく伝統衣装や食事も村ごとで違います。サルデーニャにはチーズで有名な村や、ワインやパンで有名な村もあります。

ここまでサルデーニャのユニークなところを書いてきましたが、そうはいっても、この小さな平和な島にも、いろいろな社会的な問題もあります。箇条書きにしますと、
・高齢化
・若者の薬物問題(イタリアでは特に南部で深刻です)
・移民
・インフラ整備の遅れ
・仕事が少ない(大学進学後は島の外に出る人が多い)

なかでも移民問題について、少し触れたいと思います。サルデーニャには地理的に近いアフリカからの移民が大勢います。

日本は全く移民を受け入れていないので、私はその数にとても驚きました。

調べてみると、移民は基本的に全員受け入れますが、国が提供するイタリア語の教室に通うこと、仕事をすることなどが条件だそうです。ただ、実際に仕事としてあるのは、道ばたで花や物を売るぐらいだといいます。

イタリアの人たちが移民についてどう思っているのかが気になったので、「Googleフォーム」という仕組みを使ってアンケートをしてみました。ほとんどの人が「同じ人間なのだから受け入れるけれど、仕事しなければいけない」と答えました。またある人は、イタリアの文化を尊重して、自分たちと同じように暮らすようにした方がいいと答えました。

一方で、移民にあまり賛成でない人たちもいます。自分たちにもあまり仕事がないので、移民は他の国に行ってほしい、他のヨーロッパの国々も移民をもっと受け入れた方がいい、という意見です。

イタリアのように移民を受け入る国がある一方で、私たち日本は移民を全く受け入れていません。もちろん、単純に日本に当てはめることができないこともあると思いますが、何も考えないのは世界の問題に対して無責任で、まずは問題意識を持つことが大事だと思いました。

日本から遠いようにみえますが、移民問題についてもっと取り上げるべきだと思うし、私たち自身も移民問題についてもっと考えた方がいいと思いました。

難しい話になってしまいましたね。でも、私はサルデーニャに来て本当に良かったです。私は幸運だと思います。なぜなら、かけがいのない体験をしているから。

ここ来る前は、サルデーニャ島の存在さえ知らなかったし、もし知ったとしても、単に観光で来ることになったでしょう。でもいま、私はこの島に住み、文化に触れ、人々と一緒に暮らしています。それを体験できて、とても良かったと思うのです。

島での体験を通して、世界を見る見方が変わり、視野が一気に広がりました。

ありがとう、サルデーニャ島!!

Amo la Sardegna ♡

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  • 2022年2月14日
  • 稲垣 智華
  • トビタテの奨学金を頂いて、2月からバンクーバーに1年間留学しに来ています!

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