「自分らしくいる」ことの難しさ

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「自分らしくいていい」。多様性を尊重することの重要性が社会に浸透してきている中でよく耳にする言葉ですが、これまで、こう言われるとなんだか苦しくなることがありました。自分らしさって何だろう。特に秀でていることもない。何か他人を惹き付けるような個性を持っていないと、評価されないのではないか。そんな風に、他人からの評価にとらわれて、自分のことを追い詰めるような気持ちになってしまうのです。

今は、「自分らしくいる」ということは、「こうあるべき」という理想とは距離を置いて、「今のそのままの自分を受け入れる」ということなのではないかと考えています。理想や目標を追い求めて努力することは素敵なことですが、そんな気力が湧かなかったり、楽をしたいという気持ちになることもあると思います。そんな時も含めて、今の自分の状態を観察して、無理に変えようとせず、自分の気持ちに丁寧に接することが大切です。

私たちは、何かにとらわれていると思い込み限界を決めつけて、自分を閉じ込めてしまいがちです。自分の心にモヤモヤを感じているときは、「こうあるべき」と思っていることを、本当に自分にとって大切なことか?と、自分を軸にした視点でとらえ直してみてください。自分の気持ちを観察できるのは自分だけです。そして、いつも「自分らしく」いられることを選択することができていれば、他人からの評価に惑わされず、自ずと自分の心が満たされていくはずです。

だから、改めて皆さんに「自分らしくいていい」と、お伝えしたいです。

文部科学省
初等中等教育局 教育課程課
槍澤 芽衣

※個人としての見解です。

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