「こころときめく贈り物」〜高校生にすすめる1冊の本〜は、愛知県内の国立・公立・私立高等学校・特別支援学校(高等部)・中等教育学校(後期課程)の図書館担当など274人の先生方から推薦のあった本や、高校生が友だちにすすめたい本を生徒のみなさんに紹介するものです。
愛知県では毎年、読書週間の頃に「愛知県子ども読書活動推進大会」を開催しています。読書ボランティアの方、図書館の関係者、学校の先生方など、読書に想いをもった方が集まります。今回は思春期の読書をテーマに開かれた平成29年度の推進大会に参加された方々が高校生の皆さんに読んでもらいたい本を紹介してくださいました。本の魅力をよく知った方々からのご紹介です。要チェックですよ!!
愛知県教育委員会より
わたしを離さないで
カズオ・イシグロ 早川書房 2008年
ノーベル文学賞作家カズオ・イシグロは日本で生まれ、現在はイギリス国籍を取得し、英語で執筆しています。今回紹介する「わたしを離さないで」もNever Let
Me Goという作品の翻訳です。
物語の語り手キャシーはある施設で暮らした過去を持っています。彼女の回想を通して、読者はその施設の異様さと、その理由を徐々に知るのです。
「生きる」ことの意味や生命の大切さを、登場人物の生き方を通して改めて問い直すことのできる作品です。興味のある人は英語で原作を味わってみるのもおすすめですよ。
エミリ・ディキンスン家のネズミ
エリザベス・スパイアーズ 著/長田弘 訳 みすず書房 2007年
「私は誰でもない!—あなたは誰?」誰にも会わずどこへも出かけない詩人にインスピレーションを与えるものは白ネズミ!
近年注目を集める19世紀アメリカの偉大な詩人、その孤独で不思議な生涯をネズミの目を通して知らせてくれる。
「また、必ず会おう」と誰もが言った
喜多川泰 サンマーク出版 2010年
心が、ほわっと温かくなりました。主人公は皆さんと同じ高校生。彼は夏休みの最後の5日間で自分のウソから始まる冒険をしました。それは机上の勉強では体験できないことばかり。でも、誰もが持っている優しさと温かさで物語は紡がれていきます。人との繋がりから学び得た体験は、たったの5日間で彼を成長させました。きっかけは誰かのひと言。あなたの心にも響くひと言を、この本から見つけてください。そして、人との出会いを大切に。
空色勾玉
荻原規子 徳間書店(福武書店) 1996年(1988年)
舞台は『古事記』の神話の時代。神に連なる「輝(かぐ)の一族」と、それに対抗する「闇(くら)の一族」の戦いを背景に、主人公狭也(さや)が「自分にできることは何なのか」を自分に問い、行動する物語です。とはいえ、高校生だった私は難しいことは考えず、「狭也の恋はどうなるの?」「輝が正義じゃないの?」など、ハラハラドキドキしながらあっという間に読み終わってしまいました。きっと今の高校生もこの気持ちを感じてくれるはずです。3部作の1作目ですが残りの2作もいいですよ。
穴 HOLES
ルイス・サッカー 著/幸田敦子 訳 講談社 2006年
無実の罪で矯正キャンプに入所させられる少年スタンリー。灼熱の荒野に巨大な穴を掘り続ける苦行を課せられます。そんな日々から友情とプライドをかけ、「約束の地」をめざして脱出だ!不運を幸運に逆転することはできるのか?
全米図書賞、ニューベリー賞他受賞の傑作。ディズニーが映画化もしていますが、これもなかなかいい出来ですよ。
ご紹介の本は、丸善1Fエレベーター前にて展示販売中です。
ネットストア(3,000万冊)の便利さと街の本屋さんの楽しみをご提供できる 全館8フロア(文具フロアは1階の一部、2階)蔵書数120万冊、ゆったりスペース。
MARUZEN名古屋本店
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