こころときめく贈り物

愛知県教育委員会より

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「こころときめく贈り物」〜高校生にすすめる1冊の本〜は、愛知県内の国立・公立・私立高等学校・特別支援学校(高等部)・中等教育学校(後期課程)の図書館担当など274人の先生方から推薦のあった本や、高校生が友だちにすすめたい本を生徒のみなさんに紹介するものです。

今、多くの図書館では「ヤングアダルト(YA)サービス」と呼ばれる中学生・高校向けのサービスが行わています。小さな子供でも、成熟しきった大人でもない、微妙な時期の皆さんにピッタリくる本を選び、揃えているのです。今回は愛知県図書館のYAサービス担当者からの推薦本です。10代の皆さんの心に寄り添う本選びのプロからの紹介です。これは読んでみないと!! お近くのヤングアダルト(ティーンズ)コーナーにも足を運んでみてくださいね。


噓の木
フランシス・ハーディング/著
児玉敦子/訳
東京創元社  2017年
19世紀後半、進化論の衝撃に揺れるヴィクトリア朝のイギリス。化石捏造疑惑の渦中で死んだ博物学者の牧師と、嘘を養分として育つという木の謎。知的好奇心に溢れる14歳の少女フェイスは、父の死の真相を探ろうとするのですが…。女性が抑圧されていた時代を舞台にしたファンタジーとしても、ミステリーとしても楽しめるお話です。コスタ賞の大賞と児童文学部門賞のダブル受賞作。

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ちいさな国で
ガエル・ファイユ/著
加藤かおり/訳
早川書房 2017年

アフリカのちいさな国・ブルンジ。少年時代を謳歌していたガブリエルでしたが、やがて勃発した内戦が民族対立を激化させ、平穏な日々は崩れ去っていきます。そんな過酷な状況の中で主人公を支えたのは読書でした。主人公同様にフランス人の父とルワンダ難民の母を持つ著者は、現在フランスでラッパー兼スラマーとして活躍中。高校生が選ぶゴンクール賞(ゴンクール賞は、日本の芥川賞のようなフランスの文学賞です)等の受賞作です。

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大人になるっておもしろい?
清水真砂子/著
岩波書店(岩波ジュニア新書)  2015年

自分らしさを求めながらも周囲の人と違わないことに気を使ってしまったり、自分を信じ切れず未来に希望を描くのが難しかったり…。でも焦らないで。「カワイイ」を疑おう、一人でいてもいいんだよ…。怒りや悩み、矛盾等を抱えながらも、現在を丁寧に生きてほしいと児童文学者・翻訳家の著者は13通の手紙で語りかけます。ブック+αのリスト付き。紹介されている本もぜひ読んでみてください。

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〈刑務所〉で盲導犬を育てる
大塚敦子/著
岩波書店(岩波ジュニア新書) 2015年

盲導犬になるためには子犬の頃の経験がとても重要とされています。その大切な10ヶ月を、受刑者に社会復帰訓練として委ねるプログラムが島根の刑務所で導入されました。命あるものを世話し、その中で人と係わり、社会に貢献しているという経験をすることで、自分や他人を尊重できるようになっていく姿が丁寧に記録されています。盲導犬ユーザーが受刑者に語った「自分で自分の居場所をつくるというのは、自分にできることは何かを探すこと」という言葉が印象的です。

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Masato
岩城けい/著
集英社 2015年

父親の海外赴任により家族でオーストラリアに住むことになった真人。現地の小学校に転入しても、英語ができなくてなかなか溶け込めなかったけれど、サッカーをきっかけに徐々に居場所をつかんでいきます。しかし、一人馴染めずにいる母親は次第に孤立してしまい…。異言語・異文化の中での苦労や家族間の葛藤とともに、真人の成長していく姿が描かれます。海外経験のある人には特に共感が湧く部分もあるのではないでしょうか。

高校生にすすめる一冊の本
愛知県図書館YA担当より

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