大村知事に聞く「日本一元気な愛知」へのチャレンジ

学生スタッフによるインタビュー

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コロナ禍で疲弊する中で時はどんどん過ぎ、私たちも新学年、新学期を迎えました。不安と期待が交錯する昨今ですが、ジブリパークやリニア中央新幹線等、明るい話題もちらほら聞こえてきます。私たちは自分たちが暮らす愛知県の未来について考えたいと思い、愛知県庁を訪ねました。公務でお忙しいにもかかわらず、愛知県大村秀章知事は力強い言葉で熱く語ってくださいました。


愛知県知事
大村 秀章

1960年愛知県碧南市生まれ。東京大学法学部卒業。1982年農林水産省入省、1996年第41回衆議院総選挙で初当選し、以来5期連続当選。その間経済産業大臣政務官、内閣府大臣政務官、内閣府副大臣、厚生労働副大臣等を務める。
2011年第17回愛知県知事選挙で当選、現在3期目を務める。「日本一元気な愛知をつくり、日本の未来をつくる!」をスローガンに掲げ、オール愛知で取り組む政策を打ち出している。


今年11月に開園するジブリパークの来場者数はどれくらいの予測なのでしょうか。また開園によりどのような効果が期待できますか。(愛知淑徳高等学校1年/山本明凛)

ジブリパークは今年11月1日にまず1期オープン、そのおおむね1年後に2期オープンします。1期オープンでは年間100万人ほど、2期オープンで年間180万人ほどの来場者を見込んでいます。開園による経済波及効果については、ジブリパーク整備による建設投資効果で約840億円、2期オープン後は来場者のパーク内外における消費により、毎年約480億円との試算をしています。
そうした試算もありますが、開園による効果で一番大きいのは、私はブランドだと考えます。スタジオジブリ作品は日本が世界に誇るオリジナルコンテンツですね。その世界観を忠実に表現するジブリパークが、愛知にあるというブランド効果は絶大なものだと思います。そして、スタジオジブリの作品は日本の文化そのものです。それを愛知に未来永劫残していくことで、それがまたブランドになっていきます。 “ジブリパークのある愛知” として国内外から多くの旅行者を呼び込み、さらに県内各地への周遊観光にも繋げていきたいです。

リニア中央新幹線が開通すると、愛知県の産業や観光にどのような影響があるとお考えですか。(東海高等学校2年/安藤叡)

東京・名古屋間を40分で繋ぐリニア中央新幹線の開通は、日本を大きく成長させていくエンジンとなるでしょう。首都圏と中京圏で人口5千万人の巨大な経済圏ができ、21世紀の日本を引っ張っていくエリアが形成されるプロジェクトです。東京と繋がるとストロー効果で、経済や文化等様々な面で、東京に一方的に吸い取られるという話もありますが、愛知県は自動車産業をはじめとした日本一の製造業の集積があり、その心配はないと思います。むしろ、その強みを基盤としながら、首都圏のサービス業やスタートアップとの連携を図り、新たなビジネスモデルの構築といったイノベーション創出に繋げていきたいと思っています。また、リニア中央新幹線の開通による輸送能力の大幅な拡充で、旅行者の増加も期待されます。首都圏から愛知へ来てもらうためには、愛知独自の魅力を磨き上げて付加価値を高めていく必要があります。愛知の歴史や豊かな自然、文化、それから、先ほど話題になったジブリパークを活用し、愛知ならではの魅力を効果的に発信する取組を継続的に積み重ねていきたいと考えています。

気候変動によって将来愛知県で起きる問題は何だとお考えですか。それを解決するためにどのような環境政策を行う予定ですか。(名古屋大学教育学部附属高等学校2年/足立心愛)

気候変動をもたらす地球温暖化への対策は愛知県だけでなく、世界中で取り組む問題ですね。地球温暖化で気温が上がり、海面が上昇していくことが、自然環境や、産業・経済に大きな影響を与えることになると思います。産業革命以降、地球温暖化が進んでいく状況に、ストップをかけないといけません。
愛知県では、県内事業所の皆様が徹底した省エネに懸命に取り組まれており、県内GDP当たりの温室効果ガス排出量では、全国35位という低い水準を実現していますが、日本一の産業県であり、活発な経済活動の結果として、温室効果ガスの排出量は全国で2番目に多くなっています。愛知県としては、日本一の産業県だからこそ、環境施策でフロントランナーでなければいけないと考えています。
愛知県では「あいち地球温暖化防止戦略2030」に基づき、愛知県独自の取組を進めています。例えば、先進環境対応自動車導入促進費補助金により、二酸化炭素を排出しないEV・PHV・FCVの普及を後押ししています。合わせて水素エネルギーで走る自動車FCVに必要な水素ステーションも増やしていきたいと思います。現在、全国で170か所ほどありますが、愛知県にはその4分の1の37か所あり、日本で一番多い数です。それから、住宅用地球温暖化対策設備導入促進費補助金により、住宅用太陽光パネルの設置を後押しして、設置数は愛知県が全国1位です。引き続き、環境面でプラスになる施策、カーボンニュートラルに資する施策に着実に取り組んでいきます。

県内に多くの商業施設ができる中で昔ながらの商店街を振興するための取組はありますか。(愛知高等学校2年/山本健太)

商店街の振興事業については、これまでも着実に取り組んでいます。商店街が創意工夫を凝らして行うイベントの後押しや、商店街と大学・高校が連携して新商品を開発する取組などを行っています。名古屋市の商店街と愛知商業の生徒の皆さんによる商品開発は一つの例ですね。やはり、商店街というのは地域の中核となる存在ですから、人が魅力を感じて集まる場所にしたいと思っています。例えば、一宮市や安城市の七夕祭りのような人が集まるイベントを後押ししていきたいですね。今年3月には「あいち商店街活性化プラン2025」を策定しました。「『暮らし』の、『まち』の、あったらいいな」を実現する商店街への変革や、多世代が買い物、交流を通じて触れ合える「心かよう」人情商店街の再生を目指していきます。

知事になる過程でどのような困難があり、どのように乗り切ったのでしょうか。また座右の銘があれば教えてください。(名古屋経済大学市邨高等学校3年/鵜飼伸哉)

私は1996年に国会議員になりました。愛知県知事になったのは2011年で、現在3期目です。これでもう26年間政治家をやっています。
選挙で応援してもらうためには、まず、顔と名前を知ってもらうことから始まります。それが一番苦労するところですね。自分の人となりや考え方、顔や名前を知ってもらうためにどうするか、それが大きな課題でしょう。私は8回選挙をやってきました。どれも大変でしたが、そうした活動を乗り越えて、支持をいただくことで、いろんな仕事ができるようになります。
戦後日本は民主主義の国として生まれ変わりました。有権者一人ひとりが投票して自分の代表を選び、そこで政治が行われ、チェック機能も働きます。民主主義を守るためにも我々政治家が努力しなければ、と思います。
座右の銘は、2つあります。自分が今あることを天に感謝しつつ周りの人々を愛するという「敬天愛人」、もう1つは一瞬の出会いを大切に真心を込めて相対するという「一期一会」です。どちらも日本人の心に通じる言葉だと思います。

僕は今、私学助成に関する活動をしています。愛知県では世帯年収720万円未満の家庭の授業料等の実質無償化を達成しましたが、これからの対策について教えてください。(東海高等学校2年/青木政磨)

世帯年収720万円未満の家庭の私学授業料等の無償化は、今年で3年目になりますので、今後は、しっかりと定着させていきたいと思っています。若い学生さんが経済的なことを気にせず、いろんな勉強、学びができる環境を整えることを大事にしていきたいと思います。


インタビューを終えて

満開の桜が美しい庭園を背景に、愛知の未来に向けた政策をわかりやすく語ってくださった大村知事。
時代の流れが早い中では、常に学び直しが必要だと。それは高校・大学を出て社会人になっても心掛けていくようにと、90歳代で首相に返り咲いたマレーシアのマハティール氏の精神・生き方を例にとって説かれました。エピソードは藤井聡太さんのことにも及び、いくらITやAIが発達しても彼のようにAIを駆使しながら彼にしかできない勝負をする凄さに感動したことをお話しくださいました。
時代を捉え、謙虚に学び或いは学び直しチャレンジする姿勢、人間にしかないアートの感性やコミュニケーション能力の重要性等について語られる大村知事の言葉の意味を深く考えていこうと思いました。


Interviewer

山本 明凛 愛知淑徳高等学校1年
安藤 叡 東海高等学校2年
足立 心愛 名古屋大学教育学部附属高等学校2年
山本 健太 愛知高等学校2年
鵜飼 伸哉 名古屋経済大学市邨高等学校3年
青木 政磨 東海高等学校2年



ライティング/宮崎ゆかり
フォト/ミゾグチジュン
デザインレイアウト/スタジオゴブリン

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