3G-Projectとは、社会問題に対して問題意識をもつ高校生25名が集まり、国際問題の解決に向けて積極的に行動ができる人財を育てる研修プログラムです。本来であればフィリピンのマニラに渡航し、実際にスラム街などでボランティア活動をする予定で始まりました。しかし新型コロナウイルスの影響により、現地への渡航は諦めざるを得ませんでした。それでも私たちは諦めることなく、他にできることを考え、オンラインでの会議を通じて、マニラ、台北、シドニー、ハワイなどの学生たちと交流し、SGDsといった国際問題の解決や各国での取り組みについて英語で話し合うことにしました。また、プログラムが終わってからも、SNSへの投稿やレポートの作成などで各自取り組みを続けています。ぜひInstagramを開いて、#3gprojectで調べてみてください!
さらに、この3G-Project を通して、普段の学校生活ではできない貴重な学びがありました。それは、立場や環境が異なるメンバーとの話し合いの難しさです。今回は、海外のメンバーだけでなく、日本人のメンバーのバックグラウンドも様々でした。その上で自分の頭の中にある考えを言葉にしてしっかりと伝えること、様々な方向性から物事を捉えること、国の違いによる考え方の違いを理解して話し合うことは簡単なことではありませんでした。しかしこうして実際の討議を経て得た経験はかけがえのないものだと思います。さらに、今回はもともとの予定通りには進まず、現地に行かないままで国際問題について深い話し合いができるのだろうかとはじめは不安に感じていました。しかしいざ議論が始まると、様々な意見や各国の状況がメンバーから共有され、白熱した議論を行うことができました。このことから、現地に行くことができなくても、共通の目的や強い問題意識があれば、十分に討議することができるということを学びました。
11月14日には、名古屋青年会議所の「誰もが共生できる社会を実現する名古屋フォーラム」に参加しました。テーマは”共生”。私たちの半年間の活動報告をすると共に、「共生できる社会」とは何なのか、そしてその実現の為に私たちが出来ることについて考えました。このフォーラムでは実際に、車椅子ダンスを見たり、パラアスリートの井谷選手やノルベコフ選手から障がい者の方の生の声を聞いたりすることができました。印象的だったのは、「障がい者という言葉は、身体に障がいがある人という意味ではなく、社会に障がいを感じている人という意味である」という井谷選手の言葉です。障がい者の方が生きづらさを感じなくて済むバリアーフリーな社会、それこそがまさに「共生できる社会」なのだと気付かされました。またノルベコフ選手は、ウズベキスタンでも障がい者を支援する意識が年々高まっており、環境整備が進んでいるということを私たちに伝えてくれました。「共生できる社会の実現」は今や国際的な課題だといっても過言ではないでしょう。障がい者の方々とももっと意見を交わし、彼らの置かれている状況についての理解を深め、個人として、また社会として出来ることは何か?こうした問題を引き続き考えていきたいと思います。
また、今回のフォーラムは、ウズベキスタンの現地と名古屋市を繋ぎ、YouTubeを通じて、全世界に発信されました。当日会場に来られなかった方も、そのライブ映像と共にフォーラムに参加することが出来ました。新型コロナがきっかけとなり、オンライン会議が拡がったおかげで、今や海外に行かなくても、現地の人々と対話し、現地の事情をリアルに知ることが出来ます。さらには、YouTubeやSNSなどを活用して、全世界に情報を発信することも可能です。環境問題やSDGsといった国際的な課題に対する取り組み方も、これからは大きく変わってくるでしょう。
3G-Projectの3Gとは、「Global network Gathering for next Generation」を意味します。次世代を担う私たちは、こうした新しいツールを使い、これまでにない方法で、もっと多くの人を巻き込みながら、国際問題の解決に取り組んでいくことが出来るのです。取り組みはまだ始まったばかりです。出来ることはたくさんあります。名古屋から世界へ。これからも3G-Projectとしてますます活動を拡げていきたいと思います。
名古屋青年会議所
https://70.nagoyajc.or.jp/