今回ご紹介するのは、金城学院大学 人間科学部多元心理学科でのゼミ。ご指導は安藤玲子教授です。安藤教授は健康心理学ユニットの担当教授で、専門はポジティブ心理学とメディア心理学。このポジティブ心理学は健康心理学の中でも新しい分野だそうです。
金城学院大学の多元心理学科では、ユニット制カリキュラムが組まれており、①社会心理学 ②健康心理学 ③キャリア心理学 ④臨床心理学 ⑤発達教育心理学 ⑥医療福祉心理学の6つのユニットがあります。因みに①②③は社会心理学系のユニット、④⑤⑥は臨床心理学系のユニットです。
安藤教授からゼミの概要、様子についてご寄稿いただいたものを要約しました。
多元心理学科では1年生からゼミがあります。1年時に大学での学びに役立つ知識を習得し、2年生では臨床系と社会系に分かれてその基礎を学びます。3年生からはユニットの担当教員のゼミに所属し、より専門的に2年間学ぶことになります。
3年生以上のゼミでは心理学の論文の特徴を学ぶ上で参考になる学会誌論文を読むことが多くなります。
私のゼミでは3年前期は学生各自が自分の興味のある内容の論文を選び、じっくり読み込んで発表用のレジュメを作り、1時間半の授業時間の中で説明します。その際、発表者は質問に備えて事前準備が必要となります。これがとても勉強になります。学生たちは前期中にゼミ生の人数分、学術論文をじっくり読むことになるので、心理学の論文にも慣れていくのです。
通常は学生が選んだ論文を1週間前に渡し、発表当日には学生が印刷したレジュメを持ってきて、各自その印刷物を見ながら進行していきます。
デバイスWITHiSモニター体験
今年度はスマートフォンをPC化するWITHiSという端末をお借りし、スマホから13インチ強の画面に拡大し論文とレジュメを同時に開くことが出来たので、紙への印刷の手間が無くなり、便利でした。僅かですが紙の使用削減を行うこともできたと思います。また、最近の学生はスマホ完結型なのでキーボード操作に慣れていないと企業の人からよく指摘されるため、学生のうちにWITHiSのようなキーボード付き端末に触れることはとても良いことだと思います。
3年後期はグループに分かれての共同研究。各グループでテーマを決めて仮説を設定し研究計画を立てます。そして実験や調査などで仮説を検証しレポートにまとめます。
4年生では1人でそれを行い卒論執筆を行いますので、この共同研究は卒論を書く予行演習という位置付けになり非常に重要です。
4年生は1年をかけて卒論執筆に取り組みますが、概ね前期に研究計画を練り上げ、調査や実験を開始します。研究というものは論文や研究書をたくさん読み込み、仮説を立てしっかりと取り組まないと想定した結果は得られません。3年生での体験や苦労が卒論の際に生かされます。
心理学に興味のある高校生にアドバイス
多元心理学科は6つのユニットに分かれていますが、基本的にどのユニットに入っても卒論のテーマは自由。
恋愛、消費行動、幸せ、挫折‥日常生活のなかの出来事は全て社会心理学の研究になり得ます。高校生のうちから「何故こんなことが起こるの?」「これって本当に当たり前?」など、周りの事象に敏感になっておくと良いですね。
スマートフォンのアプリがパソコンのように大きな画面とキーボードで使える新しいデバイス、WITHiSを金城学院大学のゼミでご利用いただきました。
▼スマートフォンをPC化するWITHiSについて
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