▲現在の愛知商業高校ユネスコクラブの生徒達
本校の立地する名古屋市東区徳川周辺に広がる名古屋近代化の歴史遺産が数多く残るエリア「文化のみち」の持続可能な街づくりに貢献するため、2011年より「なごや文化のみちミツバチプロジェクト」を立ち上げ、校舎屋上で養蜂活動を開始した。これは、地域に根付く歴史文化を生かしたマーケティングと、養蜂を通じた生態系向上や特産品の開発で地域活性化を目指す取組である。本校近くには日本庭園「徳川園」があり、それを蜜源として得られる蜂蜜は地域資源となり得ると期待し「徳川はちみつ」と名付け、2013年2月に商標登録を行った。
蜂蜜を活用し、被災地を支援する社会貢献型の商品「希望のはちみつりんご」の企画・開発をはじめ、フェアトレードの食材やSDGsの目標達成に向けた商品の企画・開発や、株式会社JTBと共同で「エシカル消費を体験していただく日帰り観光ツアー」の企画や、フェアトレードローズを使用した、母の日に贈るミニブーケ作りイベントなど、これまでに20種類以上の商品やサービスを企画・開発し、地域に根差したビジネスの取組を行っている。
他にも、ミツバチの働きをもっと多くの人に知ってもらいたいと考え、2021年には未来を作る子どもたちをターゲットに、ミツバチを身近に感じてもらう絵本を発刊した。この絵本は地元地域へ寄付や、読み聞かせを行うことで生物多様性保持の必要性を訴えた。他にも、名古屋市の東区役所が主催する「スモールアクションプロジェクト」では、花で「人」「地域」「ミツバチ」の全てが幸せになれるよう、学校の花壇だけでなく地域の花壇を一緒に整備することでミツバチの蜜源を確保する活動を提案し、現在も続く企画の一つとなっている。
現在は、地域に貢献する一つの視点としてアップサイクルの取組も行っている。身近な人に「もったいない」を感じてもらうために、ワークショップの実施をはじめ、2023年には東海理化株式会社様と共同でシートベルトの端材を使った商品を開発した。この商品は使用する素材はできるだけアップサイクルのものにこだわり、10代の方をターゲットに、「推し活」を意識したバッグとなっている。このように、様々な視点からSDGsの目標の一つ「11住み続けられるまちづくりを」を考えるきっかけとなるように、魅力的な街の在り方を提案し続けている。
▲ミツバチの定期点検をする生徒達
▲徳川はちみつを使用した生徒企画商品
▲企業コラボアップサイクル商品「推し活バッグ」