高校生の皆さんへ

名古屋市教育長 坪田 知広

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高校生の皆さん、こんにちは。7月に名古屋市教育長を拝命しました。文部省(現文部科学省)に入省して30年。名古屋勤務は愛知県警察本部少年課長を務めていた時以来21年ぶりです。名古屋市教育委員会は、市立の幼稚園・小学校・中学校・高校・特別支援学校の教育と、図書館・博物館・科学館などの運営、そして文化財の保護まで幅広い分野を担っています。すべてが人の成長、より良き生き方、幸福にかかわる大事な仕事です。

私はずっとやりたかった改革がたくさんあります。三つだけ例を挙げると、

一つ目は、高校入試の改革です。調査書の簡素化・取扱いの透明化を含め、中学生へのプレッシャーをできる限り少なくし、それぞれの好奇心に応じて伸び伸び学べるようにしたいです。

二つ目は、校則の見直しです。服装や髪形の制約は、今では行き過ぎでは、という例も散見されます。校則は裁判例でも「必要かつ合理的な範囲内で定めうる」とされており、生徒や地域に必要性や合理性を説明できない内容は考えものです。最近文部科学省も校則の見直しを全国の学校に求めており、校則のWEB公表、生徒との話し合いや生徒・保護者の参加による見直しを促しています。生徒の立場から主体的に自分の意見を表明していくことが大事です。高校卒業までに選挙権を持ち、さらに成年にもなるようになったことを考えれば、校則を題材として国の憲法や法律、県や市町村の条令などのルールがどのようであれば良いかを話し合うことはもはや必須といえるでしょう。

三つ目は、学びの個別最適化です。これまでの「整然と机の並べられた教室でひたすら講義を受けて板書をノートに写す」学習スタイルは変革すべき時期に来ています。令和時代の学校は、各個人の学びの記録(学習時間・勉強法、学習到達度、得意不得意)に基づいて一人一人指導法を分け、宿題も使う教材も個別化し、また授業も板書とノートの時間は前もって講義動画を見ることで省略し、グループワークなど協働的な学びに時間を使うのが理想です。入試改革とも関連しますが、どの高校に入っても、医師を含め多様な職業や起業家を目指すことができ、それに応じた学びを応援する学校となってほしいです。主役は学ぶ子どもたちです。オンライン学習が普及した今、高校生の皆さんが他の高校や高専・大学の授業を、いつでもどこでも受講でき、単位認定もされる、という、学校を越えた学び方が叶うことも望まれます。

これらの改革については異論・反論も大歓迎です。これからの名古屋・愛知の教育を一緒に考えてみませんか。

名古屋市教育長 坪田 知広

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