名古屋市立高校は、グローバルな視野を持つ人材の育成と、外国語によるコミュニケーション能力の向上を目指して、平成4年度から名古屋市立高校生を派遣する海外派遣事業を行っています。新型コロナウイルス感染症による派遣の中断もありましたが、令和5年度は、合計170人の名古屋市立高校生を、姉妹友好都市を中心とした世界の9つの国と地域へ派遣しました。9派遣それぞれ派遣先に応じて研修内容に特色があり、自分自身の未来につながる体験をしながら、名古屋市の友好親善の一翼を担っています。海外派遣には、どの市立高校からも応募することができます。
イタリア派遣
名古屋市立菊里高等学校
林 亜純
私にとってこのイタリア派遣は非常に多くの学びを得られる、とても濃い時間でした。事前に準備していた、日本や名古屋について知ってもらう工夫を出し切り、それ以上に多くのことを、現地の方との交流、同じ派遣団の子との生活、視察等を通して得ることができました。
現地校でのイタリアの同世代との方との交流では、文化や環境の違いによって、驚きや疑問を感じるポイントが予想と大きく違ったことに驚きました。私は幼い頃から慣れ親しんでいた、書道や折り紙の文化を伝えたいと思い、筆ペンと和柄の折り紙を持参していました。私が幼い頃から、当たり前に触れていたこれらの文化でしたが、現地の学生や先生方は、想像以上に喜び、楽しんでくださいました。さらに、名古屋の魅力や日本人の生活を話すと、元々現地の子が持っていた日本に対するイメージの極端さに気づき、とても面白かったです。反対に、イタリアの食、ジェスチャー等の文化を教えてもらったときは、日本との文化の違いに驚きました。これらの経験から、文化の違いの面白さ、知っているようで知らないことで溢れた世界を肌で感じることができたと思います。さらに、国際的な視野が広がり、慣れない言語で伝える努力を通して、コミュニケーション能力の成長につながったと思います。
本当にこのような貴重な機会をいただけたことに感謝しています。ここで学んだ事を活かして、自分の成長に励んでいきたいです。
フランス派遣
名古屋市立名東高等学校
阪本 友麻
私は名古屋市の派遣事業でフランスに約10日間行ってきました。名古屋市と姉妹友好都市を結んでいるランスや現地校そしてパリを訪問し、実際に現地の文化、食事、言語を見て聞いて感じ体験し多くの学びを得ることができました。私たちの行ったサン=ジョセフ高校はランスにあるイエズス会によって設立されたカトリック系の学校です。ここで私たちは現地校の生徒と一緒に授業を受け、学食を食べ、現地の生徒と同じスタイルの一日を送りました。昼休みには現地校の生徒と一緒に折り紙をし、日本語やフランス語で会話したり、日本の文化を共有したり、お互いの文化を交換することができました。思った以上に英語が通じなかったことに加え、なんと日本語が話されていることにはとても驚きました。学校にはチャペルが隣接していました。チャペルの中はステンドグラスが光輝いていて、1枚1枚キリストの物語が細かく描かれており、近くで見ても遠くから見ても本当に美しく今でもその光景が目に焼き付いています。フランスは古い建造物が多く残っており、見えないところまで彫刻が施されていてフランスの芸術の深い歴史が感じられました。
このフランス派遣は仲間と共にたくさんのことを吸収し全力で楽しむことのできた10日間でした。改めてこの派遣事業に関わってくださった全ての皆様に感謝し、今後もこのような素晴らしい事業に参加させて頂いたことに誇りを持ち、国際的な視野を広げながら日々精進していきたいです。