★田中 友香理 特定講師
京都大学大学院教育学研究科
「親子の脳と心の発達多様性の解明を目指す」
ヒトの心と脳は生涯発達し続けます。その動的過程の中でも、乳幼児期は環境の影響を特に受けやすい、脳の感受性期と呼ばれています。また、子ども側だけでなく、親側の脳と心もまた子どもと関わる経験を通して発達していきます。このように親子の脳と心をセットで見た時、両者が互いにどのように影響を与えあいながら発達していくのか、その発達過程と多様性について、神経生理学的手法により明らかにしたいと考えています。
主な著書は『発達科学から読み解く親と子の心―身体・脳・環境から探る親子の関わり』(ミネルヴァ書房)。
Profile
京都大学教育学部卒業。同大学院教育学研究科博士後期課程修了、博士(教育学)。
京都大学大学院教育学研究科助教などを経て、現在京都大学大学院教育学研究科特定講師。
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★西川 完途 教授
京都大学大学院地球環境学堂(人間・環境学研究科併任)
「未知の動物、特に両生類の新種を探しています」
アジア全域でフィールドワークを行って、その地域の種のリストを作成して、分類を整理することを目標にしています。誰も知らない種を見つけたり、皆が知っている種が実は新種であることを発見したりできることが醍醐味。関連して生物多様性の保全に関する研究や活動も行っています。
HPはこちら
https://sites.google.com/site/knishikawalab/
Profile
京都大学農学部卒業。同大学院人間・環境学研究科博士後期課程中退。日本でただ一人のアシナシイモリ研究者(写真で手に持っているのはラオスのアシナシアイモリ)
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★村山 美穂 教授
京都大学野生動物研究センター
「野生動物の年齢推定に挑戦」
野生動物は、直接観察するのが難しい場合が多いので、私たちは糞や羽根からDNAを採取して、血縁関係や多様性など、様々な情報を得ています。しかし、DNAの持つ個体ごとの遺伝情報は一生変わらないので、年齢を知るのは難しいと考えられていました。私たちは、加齢によって遺伝子の働きが変化する仕組みに注目した推定法をつくり、DNAから年齢の情報を知って、保全に役立てたいと考えています。
HPはこちら
http://miho-murayama.sakura.ne.jp/
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★高井 敦史 准教授
京都大学大学院地球環境学堂(工学部地球工学科 兼担)
私が所属する地球環境学堂は、文系・理系問わず様々な角度から地球上の環境問題の解決に取り組んでいる大学院です。中でも、私の所属する研究グループでは、土と地盤と廃棄物の調和を目指して土木工学の観点から研究しています。例えば、建設工事で発生する土を利用する技術や、災害で発生する廃棄物をリサイクルする技術、廃棄物処分場の適切な設計方法など、社会基盤整備に関連する環境問題を対象に、実験や解析を駆使してアプローチしています。
Profile
京都大学工学部卒業、同大学院工学研究科修了、博士(地球環境学)。
株式会社竹中工務店勤務を経て、2010年より京都大学大学院地球環境学堂助教、2018年より現職。
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★伊藤 哲史 准教授
京都大学大学院理学研究科数学教室
「18世紀にオイラーにより証明された等式」
をご存知でしょうか。平方数と円周率π = 3.1415926535…がつながる何とも不思議な等式ですね。こうした数の不思議を解明する研究分野が「数論」です。まだまだ未解決の問題が沢山あります。数論は代数学や幾何学、解析学だけでなく、物理学、統計学、人工知能や暗号などの他の分野とも繋がっていて、分野をまたぐ研究も盛んに行われています。京都大学理学部で数の世界の不思議に迫りませんか。
Profile
東京大学大学院数理科学研究科博士課程修了。博士(数理科学)。
専門は数の世界の不思議を幾何学を使って解明する数論幾何学。
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★伊福 健太郎 教授
大学院農学研究科
「一枚の葉に潜む深遠な学問の世界。光合成が握る課題解決のヒント」
「食糧危機やエネルギー問題を解決する鍵は植物にある」。高校生の頃の直感に導かれて農学の道に進んで以来、光合成の研究を続けています。
光合成とは光を吸収して水を分解し酸素を発生させ、二酸化炭素を有機物として固定する反応。とても複雑で高度な営みですが、その仕組みを解明すれば光合成の効率を最大化でき、作物の収穫量を増やすことができ、食糧危機などの世界的な課題を解決するヒントが光合成には秘められています。一枚の葉でも、掘り下げれば深遠な世界につながるのが大学での学問。
存分に究めるには、自分の目で確かめるまでは信じないと言う姿勢が大切です。その独立心があってこそ京大での学びが生きてきます。その究める好奇心に応えられる環境があなたを待っています。
Profile
光合成、特に電子伝達鎖の柔軟な制御機構に興味を持っている。植物を材料にした生化学と分子生物学が専門であるが、物理や化学などの異分野の研究者や企業との研究交流を積極的に行うことで新しい切り口にチャレンジしている。植物が何億年もかけて完成させた光エネルギー変換システムを、急変しつつある地球環境と人類の利用にあわせて再デザインするのが目標である。
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★村山 美穂 センター長、教授
京都大学野生動物研究センター
「野生動物を絶滅から守るために」
動物園や水族館は、展示だけではなく、野外で数が少なくなっている動物種を繁殖させて野生にかえす活動も行っています。私たちは、環境省や飼育施設と協力して、ツシマヤマネコやヤンバルクイナなど国内の希少種の遺伝子やホルモンを調べ、生殖細胞を保存して、繁殖が効率よくできるようにする研究を行っています。
HPはこちら▶︎http://miho-murayama.sakura.ne.jp/
ヤンバルクイナ生態展示学習施設の飼育個体
Profile
京都大学理学部卒業。同大学院理学研究科博士後期課程修了。畜産技術協会附属動物遺伝研究所研究員、岐阜大学准教授を経て現職。
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★山内 裕 准教授
京都大学経営管理大学院
「「本物のサービス」とは何かということをより多くの人に知ってもらいたい。」
経営学の分野で飲食店などサービス業におけるサービス提供者と顧客の間のインストラクション(相互行為)について研究している。フィールドワークの場は飲食店。特に高級店では「注文」とは単に欲しいものを伝えるだけでなく、自分が何者かを表現する行為に注目したい。サービスとは「文化」であり現代社会の新しい価値の源泉と考える。ここから新しいサービスを見つけ出したい。
Profile
京都府宇治市出身。1998年京都大学工学部情報工学科を卒業。2006年UCLA Anderson schoolにて経営学博士。2015年4月より現職。
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★明和 政子 教授
京都大学大学院 教育学研究科
「人間の心の発達と進化の道すじを探求する」
ヒトとヒト以外の霊長類の心のはたらきを胎児期から比較し、ヒト特有の心の発達とその進化的基盤を明らかにする「比較認知発達科学」と言う分野をあらたに開拓した。著書に「まねが育むヒトの心」(岩波書店)「心が芽ばえるとき」(NTT出版)『なぜ「まね」をするのか』(河出書房新社)など多数。
Profile
京都大学教育学部卒業。同大学院教育学研究科博士後期課程修了、博士(教育学)。京都大学霊長類研究所研究員などを経て、現在京都大学大学院教育学研究科教授。日本学術会議連携会員。
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★村山 美穂 センター長、教授
京都大学野生動物研究センター
「行動観察での研究が難しい野生動物の生態を遺伝子の視点で研究します」
「野生動物分子生態学」ラボワークとフィールドワークの2つの視点を駆使して動物の生態の謎に迫るのがこの研究の醍醐味。地球上の様々な動物への理解が深まり野生動物の絶滅を防ぐ方法をより現実味を持って考えられるようになるはず。
Profile
京都大学理学部卒業。同大学院理学研究科博士後期課程修了。畜産技術協会附属動物遺伝研究所研究員、岐阜大学准教授を経て現職。
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★斎藤 通紀 教授(医学博士)
細胞生物学・発生生物学
「国際的に活躍して行こうと思ったら、京都で学ぶと言う事は武器になる。」
人の体は、様々な役割を持つ細胞で構成され、それぞれが正しく機能することで、生命を維持している。正しく機能していないと様々な病気となって表れてしまう。ヒトの細胞がどのように機能するのかを調べるのが「細胞生物学」、ヒトの細胞が発生の過程でどのようにできてくるのかを調べるのが「発生生物学」だ。
Profile
1995年 京都大学医学部卒業。1999年 同大学院医学研究科博士課程修了後、イギリスに留学。2003年 帰国し理化学研究所に勤務。2009年 京都大学医学研究科教授に就任、2018年より現職 京都大学高等研究院ヒト生物学高等研究拠点 拠点長。
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★石川 尚人 教授
人間・環境学研究科/地球科学/古地磁気学
「『石』の記憶を読み解く。」
岩石は、また固まっていない堆積物も、微弱ながら磁化しています。その磁化成分に岩石が形成した時の地磁気の記録が残されている場合があります。そんな「石」の記憶から、地磁気の変動や大陸分布の変遷・地塊の運動を探る研究をしています。
Profile
京都大学理学部卒業。日本南極地域観測隊へ3度参加。内1回は越冬隊として一年間余りを南極で過ごす。
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★川本 竜彦 教授
理学研究科 / 地球惑星科学 / 地球熱学
地球内部の水とマグマを研究します
日本海溝や南海トラフからプレートが日本列島の下に沈み込む時に、海水も持ち込んでいるようです。その海水が地震や温泉や火山を作るもとになると最近わかってきました。京都大学は何を勉強してもよいところです。勉強することで人生が豊かになると考えたいですね。
Profile
京都大学理学部卒業。東京大学、アリゾナ州立大学、バイエルン地球研究所で研究員。パリ第7大学、ブレーズパスカル大学で客員教授。
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★宮沢 孝幸 准教授
ウイルス・再生医科学研究所/ウイルス共進化学
「ウイルスによるほ乳類の進化について研究をしています」
ウイルスというと病気を起こす厄介者というイメージですが、実はほ乳類の進化にはウイルスが密接に関わってきました。ウイルスと生命との関わりを宇宙レベルで研究することが私の目標です。京大では、既存の枠組みを超えた「学際研究ユニット」もあり、活発な交流がなされています。
Profile
東京大学農学部獣医学科卒、東京大学農学生命科学研究科博士課程修了。グラスゴー大学研究員、ロンドン大学研究員、大阪大学、帯広畜産大学を経て現職。
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★木村 大治 教授
アジア・アフリカ地域研究研究科/文化人類学/宇宙人類学
「わからない他者や異文化に出会って 気づくこと」を研究します
その先にあるのは「ひるがえって、私たちはどうしてこうなのか?」と言う自分自身への問いかけだ。アジア・アフリカの人々を主のフィールドワークの対象としているがその究極として近頃は「宇宙人類学」なる新たな分野を開拓中。
Profile
1960年生まれ。京都大学理学部在学中に「京都大学人類学研究会」(通称:近衛ロンド)に参加。大学院では理学研究科人類進化論研究室で学ぶ。
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★内田 由紀子 准教授
こころの未来研究センター/社会心理学/文化心理学
「こころについて様々な角度から 研究をしています」
「こころ」は目には見えないけれども私たちにとってとても大切なもの。私は「社会」や「文化」とこころの関係を研究しています。京大では主に総合人間学部、教育学部、文学部で心理学を幅広く学ぶことが出来ますし、センターの教員も授業を提供しています。
Profile
京都大学教育学部卒業、京都大学人間・環境学研究科博士課程修了。アメリカ留学や私大講師などを経て現職。
京都大学
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja
〒606-8501
京都市左京区吉田本町