選挙は、社会の仕組みづくりをリードする政治家たちを決めるものです。これからの日本社会を生きていく高校生の皆さん、選挙に行かない理由は、なぜですか?「どうせ変わらない」という風に感じている方も多いかもしれません。しかし、変化を生むためにこそ、投票が必要なんです。
「シルバー民主主義」という言葉をご存知でしょうか。これは、投票者が熟年層に偏っているため、選挙で当選した政治家は自分の立場を守るために、熟年層に手厚い政策を行っているという現状を表しています。その結果、皆さんのような、これからの日本社会を生きていく若い世代の意見があまり反映されない社会になってしまいます。若い世代が選挙に行かないことで、若い世代が搾取されてしまう、そんな状況に政治家たちも危機感を感じています。そんな危機感が、選挙権の付与が18歳以上に引き下げられた背景に存在しています。
「どうせ変わらない」と思っている方も、もしも日本社会を変えたいと思うなら、まずは投票してみてください。確かに状況はすぐには変わらないかもしれません。それでも、若い世代の投票率が上がるだけで、今まで選挙で当選していた、熟年世代に手厚い政治家たちの意識も変わっていくはずです。そしてある日、劇的な変化を引き起こすかもしれません。皆さんの一票にはそんな力があると思います。これからの日本社会を作っていく若い世代が切り開いていく日本社会となるよう、私も一票を投じます。
※個人としての見解です。
文化庁参事官(芸術文化担当)付
槍澤 芽衣